25歳と偶然

25歳になった。

アルコールをやめることを決めた。

これからは先鋭化しないと、徹底化しないと、

できないことと相撲をとろうというわけなのだから。

23も24も絶望的な年齢だけど、

25はもうわりと諦めを含んでいて、

腹を決めるにはちょうどいいと思った。

『好物』というフリーペーパーを通してやっていることも、

維持だけなら中途半端にできるわけで、

そんなものなら年間12万払ってやる必要ない。

誰の得にもならない。

なので、25歳になって私は誰なのかを仮にも打ちたてていくこと。

表明していくこと。

そのつど欲望を明らかにすること。

そしてやっちまうこと。

こうしたいと思った。

誕生日プレゼントにもらった囚人服のような柄のボクサーパンツを履いて一日を過ごしたら、帰りの電車で酔って眼鏡のずれたおじさんが隣に座って、よくみたら大学の恩師K先生だった。そうして、書くことのフィジカルさなどについてお話し、必ず同じ土俵にあがるつもりだと伝えた。何の見通しもないのに。まったき無礼。でもすごくうれしくて、なにか忘れていた大きい広がりとの接続を思い出させてもらった気がした。