グー神

 グー神が夜の闇にまぎれてメロンの実を食べていると、足元に数十人の人間が来て、彼等は大きな声を出して騒いだ。グー神がたいそう怒って地上に向かって口から種をふきだすと、種は足下の人間のうち何人かをつぶしてしまい、人間たちは増えて余計に大きな声を出し、笑い、口々にグー神を侮辱する言葉を吐いて、踊りながら足を踏み鳴らした。グー神が人間に言うには、
「あなたたちが騒いでその声があまりにも騒々しい為に、全くメロンの実を食べることができない」
 ところがたちまち大量の雨が降り、グー神の口から地上に落ちた種から芽が出たために、また人間たちの騒々しさの放つ光で芽がみるみるうちに育ったため、グー神の足下は一面がメロン園になってしまった。驚いた人間たちはさらに騒々しく言葉を交わしながら、メロン酒をつくり宴を開いた。宴は23ヶ月にも及んだため、グー神の足元にはゴミが散らばってチ山、ス山、クタ山の三つの山ができ、グー神の足は苔生して分かれ、そのまま森となった。人間たちが糞尿を流して止めなかったので、森をいくつかに分けるようにしてフン川ができた。
 さて、その夜の闇があまりにも深く罪深いものだったために、パー神は人間がもう騒いで悪い行いをしないように、人間が悪い行いをしない間だけ、グー神の顔を輝かせ、それを昼とした。